火曜日, 8月 12, 2008

副島隆彦氏の「時代を見通す力」

  • 女子サッカー、日本vsノルウェー戦は、日本が後半にどんどん点をとって、非常にいい形で試合を進めることができた。結局5-1と予想しなかったような大勝。見ていてはらはらしないですむのは久しぶり。アメリカとの敗戦も、実力差はあまりない気がした。これで、調子をつけてメダルを狙ってほしい。
  • 時代を見通す力」(副島隆彦)を読了。著者の歴史認識、考え方等、参考になった。
  • 日本の思想について、神・仏・儒の3つに関してその流れが書かれている。私はこれまでこれらの思想についてはあまり真剣に考えたことがなかった。だから、「幕末になると正統の学問である朱子学が嫌われており、昌平坂学問所の教授さえ昼間は朱子学を教えているにもかかわらず、夜になると国学や陽明学をやりだすといった状況になっていたらしい」とか、「日本のお寺の坊主達は儒教の勉強をしていた」とは、言われてみると変な話だ。そんなことは、あまり考えたことがなかった。副島氏は日本の歴史を貫く柱として、これら3つにはいずれも欠点があり、富永仲基の思想に行き着いたとしている。さらに、日本人の優れた技術で、多くの優れた製品を作って世界中に売り人々に喜んでもらう思想を実践した松下幸之助氏が一番偉いとしている。私も、副島氏の話の大筋は腑に落ちた。
  • 明治維新から第2次世界大戦にいたる流れでは、イギリス、ロスチャイルドとアメリカ、ロックフェラーの世界戦略のぶつかり合いが日本に大きな影を落としているとしている。この当たりの話になると、戦争へと導いてしまった原因に関する考察となり、歴史の教科書にもの申す話がたくさん出てくる。明治の元勲はロックフェラーの手先であるとか、「海軍善玉、陸軍悪玉」というのは大きな嘘で、米内光政、井上成美、山本五十六ら海軍のトップ達は実はアメリカに操られて日米開戦に導くことになったのだという。このあたりは、たしかにそうかもしれないとも思う。もしそうだとしても、彼らの視野が狭く、よかれと思っていたことが大きな誤りになったのか、あるいはある程度確信犯的にやったのか(何を確信していたのかにもよるが)その辺りまで私の知識、想像力ではもう一つ深くは読み取れていない気がする。しかし、イギリスやアメリカの財閥の大きな意思というのまで読んでおく必要があるというのは、その通りで勉強になった。
  • 副島氏はTVにはでない(でられない)ということだが、論客達と議論してもらえばもっと明快に理解できるように思う。TVでなくとも、著書だけでなく、他者との議論も伺いたいものだ。

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