木曜日, 4月 03, 2008

本当に生きた日 城山三郎

  • 「本当に生きた日」(城山三郎)を読了。
  • 城山三郎氏の本のなかでは珍しいのではないかと思うが、女性が主人公の話。解説(梯久美子氏)によると、1986年に書かれたものとのことだ。短い文を積み重ねたたみかけていくような文体。城山さんの本を久しぶりに読んだが、他の作品と変わらない。主人公(素子)が主婦であるところが異色であった。
  • 素子のように夫と子供との生活に満足しきっている平凡な家庭の主婦という意識は今は少ないかもしれない。事務所を経営し、大学講師をやり著書もあるというルミや、元女優でエッセイストの美保子にあたるようなモデルは現在はたくさんおり、そのような意識は多くの人が想像できると思う。
  • そうしてみると、素子の書こうとしている「妻の王国」という話は価値が高いかもしれない。そのような本はあまり読んだことがなく読んでみたいものである。(実際には城山三郎だからこのような題材の本をよんだので、そういう本はあるだろうが、なかなか読むきっかけはないかもしれないが)
  • 女性からの感想も聞いてみたい。素子のような身近なところに幸せを見つけようとする女性が自然に社会で活躍できるような世界に、現在の日本がなっているか。女性の意識はこれが書かれた頃とかなり変わってきただろうか?

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