土曜日, 7月 26, 2008

iPS細胞2

  • 筑波からの帰り昨日から読み始めた「iPS細胞」を読み終えた。丁寧に専門用語を避けて説明する姿勢はすばらしい。ひととおりのことが書いてあると思う。分化した成人の組織にも造血幹細胞等の幹細胞が存在していて、既に再生医療に向けての研究が進められていること。ES細胞、iPS細胞の性質は分化する方向が定められていないmultipotentな幹細胞であり、造血幹細胞等のように既に分化する方向が決まったものと異なること。さらにES細胞やiPS細胞はいくらでも分裂できること等の特徴がよくわかった。
  • これらがわかると、いまさらながら遺伝子を4つ(効率はよくなくてもよければ3つ)入れるだけで、分化した細胞が胚盤胞のレベルまで分化をさかのぼることができるというのは驚異だ。DNA、ヒストンのメチル化で説明していたが、その説明が一つ一つ繋がっていくことが分化発生の理解に必須だ。山中先生がES細胞でのみ発現している遺伝子の機能を調べて、Nanogのような遺伝子の働きを明らかにしたことが大きな進歩の元になったことがわかる。
  • 遺伝子とタンパク質の働きから見たら最もな理解であると思うけれども、どうしてもRNAから見たら、もっと知るべきことがあるのではという気がする。

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