金曜日, 1月 16, 2009

日本に「知の循環」を生むシステムを作り出す

  • つくば出張から帰ってきた。つくばは大阪より北のはずだが、今の気温はたぶんほとんど変らないはずだ。ホテルから研究所まで30分かからないので、天気がよければ歩くことができる。昨日は風が強くて断念したが、今日は歩いて行ったがそれほど寒くなかった。
  • 大阪-つくばの移動の間に「日本にノーベル賞が来る理由」(伊東乾)を読んだ。丹念に日本人のノーベル賞受賞研究の内容や、研究の背景が紹介してある。そして日本は基礎研究は一流となったことをしっかり説明してある。ノーベル賞受賞者大国アメリカと比べて足りないのは、それを社会に役立てるという努力や、科学の恩恵を社会に還元して、特許収入等の資金を回収して、またそれを次の研究に回していく「研究資金の好循環」というようなシステム作りであると指摘している。基礎研究は税金からなる国のお金を使ってしまうもの、国の経費としてなくなってしまうものとしてしか捕らえられていない。その考え方を変えていく必要があるとしている。さらに「知の循環」と筆者が呼ぶようなシステムを作っていくことが必要としている。
  • そのためには次の3つが必要だとしている。
  1. 研究自体。具体的な科学技術そのもの
  2. 科学を支える仕掛け、研究所から出版社までいろいろ
  3. そういうすべての担い手としての次世代、人材養成
  • アメリカはこれらのことをきっちり作り上げたから、ノーベル賞の半分以上を取るような結果に繋がっている。そして、ここからが筆者の主題なのだが、2000年以後、日本人の受賞がぐっと増えている事実は、実は世界が日本に期待していることの証左であるのだということだ。そのために、日本にまだ足らない1-3のことをやる必要があるということだ。
  • 著者が提示している秀逸なアイデアがあったので、それを紹介する。
海外に日本の1流大学のネットワークを築く。そこでは、女性科学者を一切差別しない、途上国出身者を優遇する、黒人科学者に門戸を開放する。そういうことを実現すれば、世界の期待に答えられると言っている。そして、例えばこんなことをしたら、世界も日本も変ったと認めるだろうと。「下村さんを記念する講座を作ってGFPの遺伝子配列を決めたけれど、現在はトラックを運転しているプレイシャー博士を招聘する」

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