水曜日, 2月 25, 2009

勝間和代さんの本、「断る力」

  • ベストセラー連発の勝間さんだが、勝間さんの本を読むのは初めてだ。
  • 何度も本屋さんに平積みされている著書は目に入っていたが、しいて言えばあえて避けていた。何か口当たりのよいもっともらしい話に理屈をつけたような本ではないかというような気が少ししていたからだ。今回、本を手に取ったのは、新聞広告で興味をもったからだ。広告では、「自分が力を発揮して活躍できるのは「断る力」を身に着けてからだ。その時から世界がドラマチックに変った」と紹介されている。
  • また、もう一つの理由は、梶原しげるさんのPodcastに出演されたり、勝間さん自身のPodcastを聴いたからだ。勝間さんのPodcast、「BOOK LOVERS」では、小室淑恵さんを紹介されていた。どうも、現在の私の関心のどこかに引っかかってきたようである。
  • 本屋で見つけてこの「断る力」は即決で買ったが、読み始めて「正解」であることがすぐわかった。現在はメディアへの露出が多い勝間さんも、意外にも8、9割の仕事の依頼を断っているそうだ(考えてみればこれだけメディアに出ている人には当然のことなのだろうが)。自分をコモディティ化しないためだそうである。自分のメッセージをしっかり届けられると思った仕事しか受けないそうだ。しかし、いったん受けた仕事は、断った仕事の分まで頑張る、とうまくサイクルが回っているのが感じられる。
  • 断ることの効用は多くの人が理解できるが、果たして「断らないことの利点は?」との問いに対する答えが痛烈だ。多くの人がなかなか断らないのはその利点があるはずで、それを考えてみると、「モノを深く考えないで済むこと」ではないかというのだ。この部分を読んだ時、私の子供の頃、感じたことを思い出した。
  • 私はどうも先生の考えと同調できないことも多く、何でそう考えるだろうか、それを押し付けるのだろうか等と思うことが多かった。そしてそれをうまく言えないまま、なんとなく我慢することを覚えていったように思う。そのうち、理詰めで先生にも堂々とそれは違う。正解はこうだといえる「算数/数学」の世界(実際には論理の世界)があることをしって、算数に熱中した。また、多くの友達が先生のいうこと、大人の言うことをそのまま受け入れるのに対して、論理的にはこうではないかと問いかけると、でも結局先生の言うとおりの方が上手くいくよ等と答える友達がいた。そして、実際にそうなると、何か奥深い理由があるに違いない、論理だけでは人は動かないのだ。そういう世の中の意見の形成原理にはどうやって到達できるのかと思ったりしたが、実はそれは口当たりがよかったり、なんとなく正しそうに見えるくらいの理由で「モノを深く考えない」多数の人が従い、そのためなんとなく多数の合意が達成されているように見える場合がかなり多いと気付いたりした。
  • そんな過去の気持ちの綾を思い出させてくれた。まだ、読み始めたばかりだが、楽しみな本である。

0 件のコメント: