火曜日, 7月 24, 2007

インサイダー取引

  • 元村上ファンド代表の村上世彰氏に有罪判決がでた。この間からインサイダー取引について関心をもっている。企業の研究に関係している人間は自社の株を売り買いするときは気をつけないとインサイダー取引にあたるぞと言われてから、なんとなくきちんと理解できないできたが、この機会に少し理解したいと思っているからだ。
  • 以前、「法令遵守が日本を滅ぼす」という本を読んだ時に、郷原氏が日本の司法のインサイダー取引の適応の仕方が適切でないといった趣旨のことが書いてあったと記憶する。インサイダー取引は会社の重要情報を知った者が、その情報の公表前に株式を売買して儲ける(利益を得る)ことだ。
  • そのようなズルをして儲けることは、社会的利益に反するから当然罰せられるべきだ。そうような重要情報を知った人は、そのことを利用して利益を得ようと考えても罰せられるから取引は控えるべきである。全くその通りだと思う。問題なのはその先である。日本では重要情報を知る前から実施する予定であった株の売買まで重要情報を知ってしまったらもう出来ないそうだ。そういう規定になっている(した)のだそうだ。売買をしたら一律に罰せられることになっているそうである。それも仕方ないかなと思ったいたら、そうではないようだ。郷原氏はこのように一律に罰することにすると、それを悪用することができると書いている。自社の株を(正当に)買おうとしている第3者がいた場合に、それをやめさせる術ができてしまう。つまり、その第3者に無理やりある重要情報を知らしめてしまえば、その第3者はインサイダーと取引となるために売買できなくなるというのである。
  • 私自身専門家でないので、以上の説明は正確かどうか自信がないが、郷原氏の主張はなんとなく理解できたと思う。要は日本の法令は不十分である、あるいは現実に即していない所がたくさんあるということだ。それに気がつかないうちにいろいろ問題が起こっている(氏がいうには、耐震偽装しかり、談合しかりだそうである)。にもかかわらず、それを直そうとする力があまり働いていないというのである。
  • 村上ファンド事件は、日本の司法が問われている事件でもあるであろう。村上氏のやり方を是としない人が大部分であろう。こういう問題こそ、どこに問題があるのか、日本人の法令に対する意識を高めるような立派な判決、法令が不十分であればそれをきちんと説明するマスコミであってほしい。でないと日本は金融、経済で遅れをとってしまう。
  • 「どうも、村上は額に汗して働かないで儲けるからいけない」というレベル以上の、説明が十分なされているようには見えず、新聞も保釈金や検察の面子といった側面からばかり取り上げているように見える。

  • (夕食)ご飯、ポテトサラダ、シシャモとホタテのマリネ、梅くらげ

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