火曜日, 7月 03, 2007

ふっと思ったこと

  • 帰宅の途中でふっと思ったことを書いておく。
  • 何かの本で、「クレイグ・ベンターは水のないプールに飛び込むような奴だ」とあるのを読んだ記憶がある。クレイグ・ベンターというのは、あのヒトゲノムの配列を決めるレースの一方の主役、セレラ社の元社長である。
  • ヒトゲノムプロジェクトは、ご存知のとおり、アメリカのDOAやNIHが中心になって国際的な協力のもと、ヒト遺伝子の配列を決めてしまおうという壮大なプロジェクトであるが、世界中の大学や研究機関等、公的な組織の集まりである。ところが、ベンターは、一企業で国際的な公的機関の連合を向こうに回して、自身の開発したショットガン法という革新的な方法を武器に、俺が配列を先に決めてやると言ったのである。
  • これが、単なるはったりではなかったことは、その後の展開が示している。ヒトゲノムプロジェクト側は面子にかけて負けられない、とハチマチを締めなおし、リーダーのフランシス・コリンズが発破をかけてほぼ両者同時にゴールになだれ込んだというわけだ。二人が並んでクリントン大統領とドラフトシーケンスを発表した写真を示す。
  • 自分の技術に自信をもって挑戦する(プールに飛び込む)というのが、ビジョナリーな人のビジョナリーたるゆえんであるだろうが、成功に結びつくには、「ちょうど水面に達するころには水が張ってある」(本に書いてあった言葉)ことが必要である。飛び込む本人には、下に着くころには水が張られているに違いないという確信があったのか、運を天に任せて目をつぶっているのか、あるいは、水があるように錯覚していたかもしれない。
  • いずれにしても、他の人には見えなくても、本人には見えている、あるいは見ないでもそうせずにはいられないということだったのだろう。ベンターやスティーブ・ジョブズをみているとそのように感じる。
  • (夕食)ご飯、ゴーヤーチャンプルー、炒り豆腐、めかぶ

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