水曜日, 10月 10, 2007

オリバー・スミッシーズの発明?

  • オリバー・スミッシーズのことを書いたので、思い出すままに研究室のことも書いてみよう。オリバーの研究室でびっくりしたのは、電気泳動の装置だ。彼の業績のひとつがゲル電気泳動であるということは聞いていたが、彼のラボではその頃のままの装置で電気泳動をしているように見える(本当は最初よりは進化しているのだろうが)。
  • アガロースゲルは一枚のガラス板の上につくる。まずロウで四角く土手を作る。熱く溶かしたロウをタラーリとたらして作る。ロウはすぐ固まるがあまり早まってはいけない。しっかり冷やして固める。今度はその土手の中に熱いアガロース溶液を流す。ロウの土手がしっかりしていないと堤防が決壊してやり直しとなる。コームを入れてサンプルを入れる溝を作っておく。アガロースがしっかり固まったらゲルのできあがり。
  • 台の上にゲルをのっけたガラス板を水平に置き両側にバッファーの入った水槽を置く。ペーパータオルをしっかりバッファーに浸け片方を水槽に片方をゲルの一辺の端の方(5cm位)に乗せる。反対側にもバッファー槽とペーパータオルをセット。そして電源を持ってきて、水槽にポンと電極を放り込んで電気泳動のスタート。ゲルが熱くならないように扇風機をセットしておく。
  • こんな装置をみんな(使わない人もいるが)が使っているとは---。でも、用は足せているし、本当に実験をしている、楽しんでいる気分になる。
  • まだまだ驚いていてはいけない。この研究室には手作りのPCRがある。PCRの方は手作りの装置と普通の市販品(CETUS社だったか?)もおいてあり両方使っているが、どちらも私がいるときには混んでいた。
  • これらの装置が何故あるかといえば、オリバーが自分で作ったかららしい。彼は、特許をとるような発想はなかったから、発明者として認定されていない。また最初に作ったのかどうかも知らないが、この話は複数の人から聞いた。ピペットマンもオリバーがアイデアを出して、作った/作らせたとも聞いた。これらの話の信憑性は知らないが、私はきっとそうだろうと信じている。とにかく、この古い研究室では何かを感じることは確かだ。

  • (夕食)ビール、肉野菜炒め、さわらの西京焼き、厚揚げ焼き

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