- 「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め」(石田修大)を読んだ。
- ソニーの製作現場や取引先企業の経営者の間で、繰り返し引用されている語録だそうだ。私も井深氏、盛田氏や大賀氏の著作を読んだ記憶があるが、現場に近く技術者の肉声に近い語録と言う事で大変期待した。
- 技術者仲間から生まれた言葉と感じる言葉だった。官僚的機構を嫌い、不穏当ともとられるような言葉が随所に出てくるが、どれもが逆説に富み小気味よい。いくつか面白かったところを抜き出してみる。ちょっとネタバレなので、この本を読もうと思っている方は飛ばし読んで欲しい。
- ベータマックスが負けた理由として、規格競争に負けたとか、松下が商売上手だったと言われているが、本当の理由は違うそうだ。故障が多かったからだそうだ。初めて世に出す製品が、故障が多いこりゃダメだと思われてはおしまい。信頼性の高い商品を送りだすことが、新製品発売の基本である。
- 1960年代後半、ソニーに陳腐な製品が増えてきたということで、「ソニーらしい商品とは何か」をテーマにブレーンストーミングをすることになったが、井深社長が「やめろ」と厳命したそうだ。そんな抽象論をしている暇があったらさっさと新しい商品を作れということ。
- 「このサイズにできないか」と提案すると「検討してみます」と答える人がいる。そういう人に限って、結局無理です、出来ませんとしり込みしてしまう。検討する時間があったら、とにかく引き受けてやってみろということだ。
- どれも、ものづくりのプロの言葉だ。中途半端では言えない言葉だ。ベータの新製品が本当に信頼性が高かったら絶対負けてなかったと本気で思っておられるだろう。当然、「---だったら」は、だれも知りえないところだが、大曽根氏が言ったならそうなんだろうと信じてしまいたい。これらは、どこかで身の程も知らず使ってしまいそうな言葉だ。
水曜日, 6月 04, 2008
ソニーの元副社長の成功金言
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