- 出張の間に「現場指揮官の教訓―強い現場リーダーとは何か」(日下公人)を読んだ。
- 日下氏の持論である「日本の優れた特質」の一つが、仲間の作り方であるという。それは超長期で行く末を考え、しかも仲間全体の幸福を実現する。自己改善力まで備えている。
- その対極にあるのがアメリカ社会で、弱肉強食的その場限り的な人間観をもとにしている。日本の会社でも民主主義と自由主義と個人主義を制度的に取り入れたのはよいが、そのためすっかり仕事が進まなくなった話がたくさんあると、最近いろいろなところで(身近にも)感じられていることがちくりと指摘されている。
- 日本の組織の優れたところは、中間管理職が担ってきたと氏は言う。氏の著書に「闘え本社」というのがあって、日本は現場は一流、本社は三流だ。だから本社はもっと頑張らないといけないとその本で氏は説いている。本社を強くしようとすることは必要だが、現場の強さをそこなうようなやり方となっているのではないかと主張されているのだと思う。
- 日本の軍隊を例にとってさまざまな話が紹介されている。紹介されている話は、子供の頃に聞いたことのあるような気がする。私の母方の祖父は、海軍軍人であったが、その回顧録に同様の趣旨の話があったかもしれない。
- これはいいなと思った話は、以下のような話だ。日本陸軍の掲げた「聖戦完遂」という言葉には国民に効き目はまったくなかったこと。今の自衛隊では武器や装備の関係もあって英語が氾濫していること。これらを指して、「漢語や英語で戦争していては日本は弱い」と指摘していることだ。トヨタの強さは「組織の中に日本語がある」ことの強さだと言われる。「微調整」会議や「アジャスト」会議ではなく、すり合わせをしようといえば、積極的に会議に参加する人が増え、俺は知らんという人間をなくそうというところまで進んでいく。
- こういうことならすぐ身近でもできそうだ。「インセンティブ」「コンプライアンス」では、よそよそしくて率先してやる気がしない。
水曜日, 9月 12, 2007
現場指揮官の教訓
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