skip to main |
skip to sidebar
読書-挑戦 巨大外資
- 「挑戦 巨大外資」(高杉良)を読了。
- 製薬業界の合併の中でも、大きな意味を持つWarner-LambertとAmerican Home Productsの合併交渉、それに対するPfizerからのTOB、そしてPfizerのWarner-Lambertの吸収合併。本書ではその合併にいたるWarner-Lambertを題材にして、日本支社にいたCFOの目から本社、日本支社の戦略を書いたものだ。
- このストーリーは、モデルが大変同定しやすいが、どこまで現実を反映しているのか、私には定かでない。ほとんど会話で進行するので、著者が関係者に取材で得た言葉を利用していることが想像される。そのため、視点が日本支社に在籍した日本人の役員となったのであろう。
- PfizerやWarner-Lambert本社の人達から見た目とは多少離れるのかもしれないが、日本にいる私には、主人公の池田岑行の考えには入っていきやすい。ストーリーそのものは単純化してあり、できる社長、問題社長とはっきり色分けしてあるのでわかりやすい。興味をもったところを抜き出すと次のような点だ。
- 日本の企業は後継者を指名する権限はトップにある。だが、アメリカはボード・オブ・ダイレクターズだ。―トップの権限が何に対しても強いというのではないんだ。
- ワーナーパーク(ワーナーランバートとパークデービスのもじり)は外資系では日本企業のようなアットホームな面もあって良質な会社だった。―そこに勤めていた人に話しを聞いてみたい。
- ラピトール(リピトールのもじり)のような大型薬品を開発してなければ独自路線でいけたのでは?―大型薬品を開発するとそれを狙ってくる企業がいるので、アライアンスなり相手を良く見て戦略的に対処することが重要なのだ。
- これらは、日本企業にいる私にとって、非常に身に迫って感じられる言葉であった。現実にこれらの関係者の考えは、もっと複雑であろうが、今後も合併が考えられる日本では、このような状況を設定してよく考えておく必要がある。そういう頭に切り替えてくれた良い本であった。
0 件のコメント:
コメントを投稿