- この間この本を読み始めると書いてから、少し間が空いてしまった。
- 前書き(プロローグ)を読んで感じた「この著者はやるな」という感じは、読み進むともっと強くなった。産業再生機構に持ち込まれるようになった会社はもちろんそのままで立ち直ることができないから持ち込まれるのであるが、では潰せばよいのかというとそうではない。企業はなお強い現場を保有している、中にある事業、とりわけそれを支える人材を救う為だという。
- 著者の言うには、日本の会社はマネジメントが弱く、強い現場で何とか持っている状況にある。
- 著者はその困ったマネジメントの類型、(①名門一流大企業型、②地元名門企業型、③創業オーナー大企業型)等の例をあげながらそれぞれの処方箋を作り、「合理」だけでは組織は動かない「情理」をしっかりふまえた綿密なシナリオに基づいて実行していくところを書いている。
- 特に興味深かったのは、どうして企業は「これはうまくいかない」となった時に、戦略を見直すとか、トップが変わるとか、しにくいのかということだ。著者は、日本の企業はなかなか負けを認めたがらないという点を指摘している。
- どこかで清く正しい人生のトーナメント戦から外れるとドロップアウトというレッテルを貼られ、なかなか復活できないような社会のムードが今でも強い。そしてムラの雰囲気、時代の空気が優位するゲマインシャフト的なぼんやりとして暗黙の契約のムードが、私達の意識を支配している。そして、一度外れたらなかなか復活できないイメージがあるのは、会社人生も同じである。---(中略)---いずれにしても、一回失敗したらアウト、の印象が非常に強いのだ。
- そうして死に損ないの会社が溜まっていくのだという。人材や技術やノウハウが閉じ込められたまま---。
- 最後に、そういう現状をこれからどう変えていけばよいのかという点について著者の論考をじっくり読んで考えてみたい。
火曜日, 8月 14, 2007
会社は頭から腐る-2
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