水曜日, 12月 29, 2010

日下公人が読む2011年〜 日本と世界はこうなる

  • 日下さんの新刊が出たので読んでみた。
  • 日本経済の課題、円高、デフレ、財政赤字、少子高齢化等について相変わらずの独特の見方を披露した後、アメリカと中国のこれからについて書いてある。要するに、アメリカや中国は自国の都合の良い事を押しつけている。それらは、かなりばれてしまっているからそのまま続けられない。日本がそれらに気付いてどう変わっていくかということだ。
  • 日本的対応と日本人の気持ちが理解されていないこと。今後どうすべきかについて深く納得できることが書いてあったので、引用しておく。
尖閣列島をめぐる中国の強硬な態度に示されているように、日本が腰ぬけだとおもわれたのには、いくつかの理由がある。 
日本人はまず根本には、謙虚がよいことで、その態度は人に通じると思っている。だから、こちらが一歩引けば向こうも一歩引いて、お互いにいい関係ができ上がるであろうと思っているが、これは日本国内では二千年の経験が積み重なってできたもので、日本人同士では通じるが、日本人以外には通じない。そのことを日本人の多くは、ようやくわかってきた。 
「こちらが引けば向こうも引いてくれる」「話せばわかる」という心優しさは美徳だが、それは日本人同士の世界では通用するが、一歩外の世界ではなかなか通用しない。――だが少しずつは浸透する――しかし日本人以上の良い人が外国にはいると思ってはいけない。そう思わせる方法や技術が外国では発達しているから乗せられてはいけない。 

  • こういうことを理解したうえで、行動としては、日本的対応をわかってくれる国とわかってくれない国を分別してそれぞれへの対応を公表する。アメリカが「ならずもの国家」を指定しているように日本も行動しなくてはならないとしている。
  • 以心伝心の日本人としてはしんどい話であるが、日下さんの言われる通りであろう。日本をわかってくれる国(アメリカと中国はなかなか簡単ではないと思われる)はとりあえずどこか、よく見てみようと思う。

日曜日, 12月 26, 2010

FIRST LEGO league

  • FLL(FIRST LEGO league)という子供(9才−14才)の国際的なロボット競技会の関東予選に行ってきた。
  • このロボット競技会は、FIRSTという組織がLEGOのマインドストームシリーズを使って自立的なロボットを使って行っている。そしてロボットの大会というだけでなく、「課題に取り組み解決していく」という体験的な教育という側面ももち、子供達によるリサーチのプレゼンテーションもあるということだった。今回の課題は「BODY Forward」と銘打って生体工学がテーマとなっている。
  • うまく説明できていないが、ロボット工学等まったくわかっていないが、医学的なことのわかるプレゼンテーションの審査を手伝ってくれないかということで参加したわけだ。FLLFIRSTについては、ウィキペディアやホームページでアメリカの情報を、また日本大会の情報については「NPO法人青少年科学技術振興会」のホームページで詳しい説明をみてもらえばと思う。
  • ロボット大会という以外、ほとんど認識がなかったが、セグウェイを作ったかのDean L. KamenがFIRSTという組織を作って様々なロボットの競技会をやっているものの一つということでやっとどんなものかピンときた。Kamenさんというのはセグウェイほか大きな発明で有名ですでに金銭的には成功しており、次の世代の発明家を育てようとしてこのような競技会をしているのだと認識した。
  • 慣れない紹介で力を使ってしまって感想があまり書けないのだが、少しだけでも書いておく。
  • 子供といえどもうまく道筋をつけてあげればすごいプレゼンをする。ロボット競技はあるレベルを超えるのが大変そうだが、夢中になって力を発揮するのがでてくる。
  • ちょっとこの世界に触れただけだが、こんな場を提供するというのはすごいことだ。Dean Kamenさんの意図はこんな末端にもはっきり見えてきている。
  • 最後まで、いられず、ロボットの競技会の途中で抜けてきてしまったが、いろいろと教えてくださった関係者の皆様ありがとうございました。

火曜日, 12月 21, 2010

年の瀬

  • 久しぶりに講演会に出た。ES細胞、iPS細胞に関する最近の情報を仕入れてきた。
  • 1年ぶりぐらいでその間論文を読んだりしていないものだから、かなり状況がかわっているように思った。
  • iPS作成の方法では、染色体にDNAを入れない方法が検討されているようだ。レトロウイルスを使わない方法として最近、RNAを導入する方法が報告されたという話を初めて聞いた。ハーバート大から報告されているようだ。効率がかなり悪いそうだが、RNAを使えばどうかというのは、私も考えたことのあることだから、興味がある。論文を読んでみたい。
  • 講演会では、iPS作成の方法だけでなく、分化させて治療に使う試みについての報告があった。脊髄損傷についての慶応大岡野先生の話では動物で、急性期の治療の可能性が示されてきているようだ。癌化が起ってしまうとの懸念については、数年前よりかなり進んで、テラトーマの形成は未分化の細胞を除けば、大丈夫との認識が出てきているようだ。
  • 品川で講演会に出た後、つくばに戻って部署の忘年会。「笠真」というお店。初めてのお店だったが、店主が研究熱心でなかなか面白かった。
  • 今日印象に残ったタベモノは、カチェカバロ(イタリアチーズ)と白いプリン。どちらも北海道でつくられたものだそうだ。今日は会話がはずんで写真を撮るのを忘れてしまった。

火曜日, 12月 07, 2010

ウィキリークス

  • ウィキリークスがさまざまな機密情報をリークさせたということで大騒ぎになっている。
  • 先日の中国漁船衝突事件での、YouTubeへのリークでもそうだったが、最近機密情報が漏れてしまうことが続いている。機密を保つことが大変難しい時代になっているとかんじる。
  • 政府の立場として、大変な問題であるが、漁船問題の時のように、実際に真実がもれてしまって本当は良かったのではないかという見方もでてくる。皆が知ってしまったら元には戻らないから皆が知っているという前提で対処するしかなくなる。
  • どこまで秘密に保つかというのは、これまでとは違った基準でできるだけオープンにというのは時代の要請なのだろう。

土曜日, 12月 04, 2010

武士の家計簿

  • 映画「武士の家計簿」を見た。
  • 加賀藩の下級武士で財政の専門家、猪山直之が主人公だ。そろばんと文筆が家業と言い、子供にも両方を徹底的に叩き込む。幕末から明治維新の頃、武士が困窮していた中で、思い切って金目の家財すべてをたたき売って、なんとか家を守り乗り切った才覚はすごいものがある。子供に家計をやりくりさせ、拾ったお金で不足を補ったと聞くや、叱りとばし、怪我をさせてまでそのお金を落ちていた場所まで戻させた。
  • この頃の貧乏というのは今とは次元が違う。こんな覚悟をもって生きてきた人物が現在の日本をみれば、今の不景気等というのはただだらしない生活をしているだけとしか見えないだろう。
  • 周りの武士は、対面を重んじる人ばかりであったろうが、自分の得意なそろばんに賭け、自分のやり方、経験を信じて対処していった人生は素晴らしい。
  • そういえばどこかで見たことのあるような題名だなという気がしてたら、新潮新書の内容を映画にしたものらしい。本屋でみたことがあるわけだ。機会があったら読んでみよう。

水曜日, 12月 01, 2010

「英語公用語」は何が問題か

  • 鳥飼玖美子さんの「『英語公用語』は何が問題か」(角川oneテーマ21)を読んだ。
  • 鳥飼さんは中学、高校の頃のラジオ講座でお世話になった。その頃、同時通訳の人とはどういうものだと興味津々だった。アポロの月面着陸の時の確か西山千さんの同時通訳の印象がまだ残っていた頃だった。
  • 引用されている会話は、「英語はできるけど仕事はできない人と、仕事はできるけど英語はできない人と、どっちが良い仕事につけるか?」という質問に対する答えが、「仕事なんてできなくたって、英語ができれば、そっちの方がトクなんだよ、これからは」。というもの。
  • こんな状況が現出している。これはいかがなものか?というのがこの本の問題意識と理解した。
  • 確かにそのような風潮があると思うが、鳥飼さんのような英語のプロの方がわざわざそれを真面目に否定しなければならないとは、因果な日本になったものである。
  • しかし、英語を道具として生かそうとしている教養をもった若い人がどんどん出ていることも事実であろう。英語教育者として底を上げようという意識でこのように言われるのはよく理解できる。だが、英語を使いこなしているビジネスマンに対するアドバイス。そういう人が目指すべき国際人としてのあり方みたいなところに焦点を当てるようなコメントをもっと期待したい。