日曜日, 2月 07, 2010

マグネシウム文明論

  • 「マグネシウム文明論」(矢部孝、山路達也)を読んだ。
  • 副題にあるように石油に代わる新エネルギー資源が、マグネシウムであるという話である。何かの書評に惹かれて買い求めたので、当初どういう根拠があるのかと疑問を持ちながら読み始めた。読んでいくうち、発電の方法として、太陽熱や風力発電等と比べてずっと経済的な可能性があることがわかった。それはどういうことかというとマグネシウムが燃料として効率がいいだけでなく、CO2を発生しないからである。
  • 原理は本に書いてあり、素人の私が説明することはしないが、マグネシウムを使った空気電池は水素電池のような危険性がないし、リチウム電池のようにリチウム自身の量が限りがありすべての自動車をリチウム電池で走らせることができないようなことはない。マグネシウムは海水の中から取り出せば大量に存在するということである。
  • これらのことは既に知られていることだそうだ。ネックはマグネシウムが高いこと。要は石油に匹敵するような値段で準備することができるかどうかということ。そこで筆者の技術がものをいうのだということだ。筆者の矢部教授はレーザーの専門家だ。レーザーを使って海水から精錬でき、しかも安価に製造する方法を考案して検討中だという。実用になるにはしばらくかかるのだろうが、原理的なところは実証されている。
  • そのような技術だから、他に気付いている所がないとなるとちょっとおかしいのではないか?と思ったら、どうもトヨタの考えている次世代電池は発表されているエネルギー密度はマグネシウム空気電池ではないかと思われると言及されていた。ひょっとするとトヨタから1、2年後に新電池の方式が発表されるかもしれない。
  • いずれにせよマグネシウムのエネルギー資源としての生産、利用するシステム、今後の広がり、これらについて十分気をつけて、よく知っておきたいものだ。

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