MOVIXつくばで「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を見た。前もってあらすじとか評判を見なかったので、現在の認知症を患っているとされる政治から離れ、夫を失い過去を振り返るという設定に少し驚いた。中流の出身で、男社会の中で、育った環境から育まれたであろう自己責任自助努力という精神を貫いた強い首相という側面はもちろん描かれているが、それは主題ではなく、記憶力が減退し夫の幻覚にも悩まされるという内面的な葛藤が中心だった。
私としては、ハイエクやフリードマンの思想との接点等について見たかったところもあって少々残念だったのだが、それはまた別の伝記や、後の作品に期待しよう。自らの信念を貫きイギリスの経済、レーガンのアメリカとの協調等、成果を上げた人の抱えた葛藤に注目した監督の考えをもうちょっと知りたいと思った。迷走をしている日本の政治に対して、サッチャーさんのような毅然とした態度を見習いたいという人達が多数出てきていると感じている。日本人にも、映画で描かれているような孤独に耐える覚悟をもった政治家が必要なのだろう。
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