月曜日, 11月 24, 2014

百田尚樹、「殉愛」を読んだ


  • やしきたかじんさんは今年の初めに亡くなった。いまだに関西では、たかじんの名前を冠した番組が3つ継続しており、私も大阪に帰るたびに楽しみに視聴している。
  • まず食道癌の闘病に入り、2013年の春に復帰した後、ふたたび体調不良でお休みに入ってそれから亡くなるまで、TVでは復帰にむけて療養中との情報だけだったから、病気がどうだったのかは知らなかった。この本では詳しくわかった。
  • しかし、この本の主眼は、たかじん氏の闘病に付き添い亡くなる前に妻となった女性のことである。たかじんがどうやって病気と戦う力を得たか。本当に、ずっと付き添い、できる治療があればどこまでも突進する人がいるなんて彼には想像できない現実だと感じていただろう。
  • 以下の記述に、彼の気持ちが表れている。
  • たかじんが自慢げな顔をしていった。
「さくらはすごいんや。どこにでも電話するし、どこにでも行く。猪みたいや」   
  • なぜ百田氏がこのような本をまとめる気持ちになったかについて、この本では言葉を尽くして詳しく書いている。簡単に言うと、百田氏がたかじんの思いを伝えたかったということだ。
  • たかじんは、「そこまで言って委員会」に出た百田氏に惚れ込んで、「海賊になった男」を読み、妻となったさくらさんのことを書いて欲しいという意向があった。百田氏はさくらさんからたかじんの意向を聞き、看病の様子を聞いて、たかじんの意向を理解して、これはどうしても、書かねばならないと思ったそうだ。
  • たかじんは魅力的な人だ。その魅力は、この人はと思い込んだら徹底的に支えたり、理不尽だと思ったら徹底的に戦うところだろう。番組を東京で放送しないのは東京では理不尽な言葉狩りみたいなところがあるためである。彼の弱点と言えるところがあるなら、それは彼のことを本当に理解し支えてくれる女性と巡りあわなかったことだったかもしれない。ところが、最後に、運命的な出会いがあった。それを伝えたかったのだと思う。百田さん、お疲れ様。屋敷さくらさんは伝説の人になった。

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