日曜日, 6月 14, 2015

「学校では教えてくれない日本史の授業」(井沢元彦)を読んだ。


  • 最近、英語を習っているのだが、外国人旅行者に日本の事情を説明するという課題がある。例えば、「居酒屋」とか「B級グルメ」を短い英語で説明せよということだ。いつも慣れ親しんでいるちょっとした日本の文化をいざ説明しようとするとこれが難しい。日本語でもなかなかできない。
  • こういう問題の答えを考えていると、いつしかどうしてこのような習慣を持つようになったのかとか、日本の歴史に関する問題に突き当たってしまう。「明治維新」にあたる英語はMeiji Restorationで天皇制に復帰することだ。将軍がトップに立つ徳川幕府が支配していたが、それが天皇に権力を戻したわけだ。天皇は天照大御神の子孫で正当な出自をもつということになっているが、実権をもっていたのは平安のはじめまでで、藤原氏が実質権力をもつようになり、次には平氏、源氏を始め、次々と現れる武士の一族に実質権力は握られていた。けれども、世界史の常識に従えば、権力を握った一族に滅ぼされるはずであるのに、どういうわけか名目上は、武士政権と並立しつつ、明治になったらトップに戻ってしまった。外国人からこういうことについて聞かれたら答えられるだろうか?
  • 「古墳」を英語で説明するのはもっと難しい。burial mounds built for regional rulersなんて、単語も難しいし、でっかい墓だということぐらいは説明できても、一番大きな仁徳天皇陵は、実は時代的に仁徳天皇のお墓ではないようで大仙陵古墳と呼ばれるようになったとか、宮内庁が管轄しており、調査を認めないので研究が進んでないとか、理解できないことが多すぎて、私自身が教えて欲しいことだらけで、説明などということはできるはずもない。
  • 「仏像」「神道」「仏教」となると、これは日本文化を紹介するため重要な文化財だが、その方面の知識はあやふやだ。インド、中国から入ってきた仏教と神道との関係とか、仏陀、如来、菩薩とは、ーーー。
  • このような意識をもっていたからだと思うが、面白そうな歴史の本をちょこちょこみているのだが、最近読んだ井沢元彦さんの著書が面白い。私の知りたかった、外国と比べると日本の宗教、天皇制、文化の特徴について、考えるいい手がかりをあたえてくれる。「怨霊」「言霊」はあまり意識に上ったことがなかったが、日本人の習慣や日本で起こった原発問題や朝日新聞誤報問題など、最近の事件を考える上で重要であるとの指摘はすごく面白い。
  • 井沢氏の本を何冊か読むことになりそうだ。

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